「鼓草」今年のリーフレ…

「鼓草」「鼓草」今年のリーフレ…
今年のリーフレットは小鼓を取り上げてみました。
このシーン、彼女は小鼓を打っているわけではありません。
では何をしているかというと…。

小鼓は馬の皮を使っているのですが、胴と皮は鋲で打ち付けたり、貼り付けたりしている訳ではなく、赤い紐(調べ)で締めてあるだけです。
実のところ「締める」というほど強くなく「繋いである」程度です。

この紐を手で握り込むことで圧着させて音をつくります。「鼓草」今年のリーフレ…


その際、皮は柔らかい方が密着度が増すので、演奏前に濡れた手拭いなどで湿気を吸わせます。この湿り気の加減で大きく音が変わります。

演奏中にも乾燥によって、鳴らなくなったりするので、呼気で皮を湿らせたりする必要があり、絵の中の彼女は「良い音がしますように」と皮に息を吹きかけているところなのです。



胴には風流な蒔絵が施してあり、美術品としての楽しみもあります。
この小鼓の蒔絵はタンポポです。タンポポは鼓草(つづみぐさ)という別名を持っています。
これは小鼓の口唱歌(くちしょうが)に由来しています。

和楽器に口唱歌はつきもので、太鼓だとテレツクツとか、三味線だとチントンシャン、笛ならヒャイトロなどの口で伝える方法を今も使っています。

小鼓の場合は、高い音をタ、低い音をポ、と表現します。
リズムを加えるとタタタンポポポンタッポポンポポのような表現になります。

それを知っている人がタンポポを見て「あれは鼓草だ」と洒落たのでしょう。

ちょっと面白い話ですよね。






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2024年04月12日 Posted by松本ジャポニスム実行委員会 at 00:16 │Comments(0)

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